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「神さまに駆け寄って良い、いや、神さまが駆け寄ってきてくださる」 [中高生向けのお話]

中高生礼拝 20181223 ルカ2:6-12 p.102
 
「神さまに駆け寄って良い、いや、神さまが駆け寄ってきてくださる」

 皆さん、おはようございます。今読んだ聖書の箇所には、イエス・キリストが生まれたときのことが書かれています。

 それによると、ひとつは、生まれたばかりのイエスさまは、飼い葉桶に寝かされていました。飼い葉桶とは、馬の食べるわらや草をいれる桶です。ですから、イエスさまは、馬小屋で生まれたと思われます。イエスさまをお腹に宿していたお母さんのマリアとお父さんのヨセフは旅をしていたのですが、宿屋に泊ることができず、イエスさまは、その夜、馬小屋で生まれた、と考えられます。

 イエスさまの生まれたときのことで、もうひとつのポイントは、イエスさまが生まれたという知らせを真っ先に受けたのは、野宿をしていた羊飼いたちだった、ということです。

 羊飼いたちは、町には入れませんでした。町の人びとからは、匂いがするとか、汚いとか言われていたのだと思われます。それで、羊飼いたちは、町の外の野原で、暗くて寒い夜を過ごしていました。羊を狙って猛獣が襲ってくるかもしれません。羊飼いたちは、とても心細く、あるいは、とてもこわく、不安で、心も体もぶるぶるふるえていたことでしょう。

 ところが、その真っ暗闇に、突然、まばゆい光とともに、天使が現われました。「恐れるな」と天使は言いました。それは、天使が現われても恐れるな、ということだけではなく、寒い闇夜で野宿をして心細くても恐れるな、という意味があったのではないでしょうか。

 天使は言葉を続けます。「わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった」

 「民全体に」と天使は言いました。これは、「すべての人に」ということです。町には入れてもらえない羊飼いたちにも、心細く震えている人びとにも、ということです。「大きな喜び」とは、心細く震えている羊飼いを救ってくれる救い主が今日生まれた、ということでしょう。

 羊飼いたちは、天使のこの知らせを聞いて、とても驚き、しかし、とても喜んだことでしょう。けれども、少しだけためらったかも知れません。救い主はダビデの町に生まれた、と天使は言ったからです。自分たちは、町には入れてもらえないのに、と羊飼いたちはためらったかも知れません。

 けれども、そのためらいは、すぐに消え去りました。なぜなら、天使はこう言ったからです。「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう」。救い主は飼い葉桶の中に寝ている。救い主は馬小屋にいる。それなら、羊に触って汚いからと言われていた羊飼いたちも、馬小屋なら、斥けられることはないからです。

 わたしたちは、もしかしたら、他の人からいろいろ嫌なことを言われて、自信をなくして、自分は神さまなんかから程遠い、神さまになって近づけないと思っているかも知れません。けれども、神さまのひとりご、救い主イエス・キリストが馬小屋で生まれたということは、どんな人でも神さまのところに駆け寄って良い、いや、むしろ、神さまの方がわたしたちのところに駆け寄ってきてくださるというメッセージなのではないでしょうか。
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