SSブログ

2024年3月10日 [今週の聖書の言葉]

「そのとき、マリアが純粋で非常に高価なナルドの香油を一リトラ持って来て、イエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐった。家は香油の香りでいっぱいになった」(ヨハネ12:3)

 「そのとき」とは「過越祭の六日前」(12:1)であり、イエスが比喩的に「わたしの葬りの日」(12:7)と言った日のことです。この箇所の直前の11章末によれば、祭司長やファリサイ派がイエスを「殺そうとたくらんで」(11:53)、「逮捕」(11:57)のための命令が出ていました。
 このようなときに、マリアはなぜイエスの足に高価な香油を注いだのでしょうか。イエスの足はマリアに何をしてくれたのでしょうか。
 11章によりますと、マリアとマルタの兄弟ラザロが死にますが、イエスはその足で駆けつけてくれました。そして、マリアとともに涙を流してくれました(11:35)。さらには、墓に葬られたラザロを呼び出してくれました(11:44)。
 つまり、悲しむとともに悲しみ、さらには、死は終わりではない、死によってラザロとマリアのつながりは終わらないことを教えてくれるためにイエスの足はマリアのところに来てくれたのではないでしょうか。
 今度は、マリアが死を前にしたイエスとともに悲しみますが、同時に、そのイエスの思いを受け継ごうとします。つまり、マリアもその足で、イエスとともに悲しむ者を訪ねる者となろうとしている、さらには、死がすべての終わりではないことを告げる者になろうとしているのではないでしょうか。マリアがイエスの足に高価な油を塗ったことにはこのような祈りが込められていたのではないでしょうか。

nice!(0) 

nice! 0