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「テセウスの船」・・・「過去も現在も未来も、唯一のものではなく、様々な可能性がある」 [牧師の本棚]

誤読ノート505 「過去も現在も未来も、唯一のものではなく、様々な可能性がある」

「テセウスの船」(東元俊哉、講談社、2019年)

 テレビドラマの原作になったコミック。

 ギリシャ神話にこうある。テセウスの船は部品を変えながら長く保存された。ある時点ではついに最初の部品はすべて交換されてしまったことになる。これは元々の船と同じものと言えるのか。

 現代で言えばこういうことか。ある学校は100年前に創設された。100年後、教員も生徒も校舎も場所も100年前とは違う。これは元々の学校と同じものと言えるだろうか。

 このコミックはこれの応用。わたしは現在教員をしている。しかし、数十年前には、他の選択肢もあった。(学校や職業の選択だけでなく、全ての言動には他の選択肢が無数にあっただろう・・・)。わたしが数十年前にタイムスリップし、教員ではなく、会社員になる選択をしたとする。そして、数十年が経つ。会社員のわたしは教員のわたしとは同じ人間なのだろうか。

 ある家族に大惨事が起こった。生き延びたその一人がタイムスリップし、それを防いだ。家族の運命は大きく変わった。これは同じ家族なのだろうか。

 ある大惨事を防いだとしても、別の大惨事に見舞われる可能性はなかったのだろうか。

 こう考えると、歴史はひとつの道だけでなく、さまざまな可能性があったのであり、未来も同様なのだ、と思えてくる。
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