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2021年7月25日 [今週の聖書の言葉]

【今週の聖書の言葉】

「イエスがその家で食事をしておられたときのことである。徴税人や罪人も大勢やって来て、イエスや弟子たちと同席していた。」(マタイ9:10)

 罪人とはどういう人々でしょうか。「あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。あなたはいかなる像も造ってはならない」「殺してはならない」「盗んではならない」など、旧約聖書にはいくつもの戒めが記されています。
 これらは本来、神と人間との良い関係を示すためのものだと思われますが、徐々に杓子定規に守ることだけが重視されるようになりました。たとえば「安息日を心に留め、これを聖別せよ」は、週に一度仕事を休んで神に祈り平安に過ごすためのものでしたが、安息日には外出も料理も制限されなければならないと考え、それを人々に強要する宗教者が出てきました。新約聖書に出てくるファリサイ派や律法学者たちもそうです。
 しかし、貧しさゆえに安息日に仕事をせざるを得ない人々もいました。また、徴税人は、自分たちを支配するローマ帝国の手先となり、同胞であるユダヤ人からときには不正に税金を取り立てたと言われていますが、ユダヤ人からすれば偶像崇拝者であるローマ人とつきあっていたので、律法に背く罪人と見なされたようです。
 このような人々は、世の中で斥けられていました。新約聖書の福音書に出てくる罪人とは、このように、社会から「罪人」とされ、差別されていた人々です。
けれども、イエスはこの人々と共に生きようとしました。
 (しかし、キリスト教では、自分が隣人を傷つけたり、自分の言動や精神が神の愛とは正反対であったり、神に委ねられず、むしろ、神から離れてしまう自分のことをも「罪人」として認識しています。これと福音書の「罪人」を不用意に混同すべきでありません。)

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