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2024年12月24日 [今週の聖書の言葉]

【今週の聖書の言葉】

天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる」(ルカ2:10)

 天使のこの言葉は神さまご自身の言葉でもあるように思われますが、これは、ローマ皇帝アウグストゥスから「全領土の住民に」出された「登録をせよとの勅令」(2:1)とは、正反対のものだと言えるでしょう。皇帝の勅令は登録のための長旅を住民に余儀なくするものであり、それはある意味、住民を住んでいた町から追い出し安住の場をなくさせることでした。これに対して、天使は「民全体への大きな喜び」を伝えたのです。支配者の命令と神さまからの福音はまったく異なります。
 わたしたちの今生きている世界をふり返ってみますと、戦争が終わらず、千人万人が死に続けています。病気、家族、仕事など、ひとりひとりの抱える苦しみもあります。この世界の支配者にも、わたしたち自身にも絶望してしまいそうです。
 このような絶望の中で、クリスマスを無邪気に喜ぶことができるのでしょうか。たしかに、今の世も続く「皇帝の勅令」にはわたしたちは絶望してしまいます。けれども、聖書は、それだけでない、とわたしたちに伝えています。
 権力者の強引な通達だけなく、わたしたちには神さまからの大きな喜びも伝えられていると。人間世界には絶望しますが、神様はそこに希望を伝えてくださいます。
 聖書はこのことを物語っているのではないでしょうか。そうであるならば、わたしたちは絶望の世にあっても、神さまの希望を、このクリスマスに、やはり喜ぼうではありませんか。

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