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2021年12月5日

【今週の聖書の言葉】

「あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている。」(マルコ7:8)

  聖書に書かれていることのすべてが、わたしたちが耳を傾けるべき神の心である、とは限りません。たとえば、コリントの信徒への手紙一14:34に「婦人たちは、教会では黙っていなさい。婦人たちには語ることが許されていません」とありますが、これに従う教会は少ないのではないでしょうか。
 これは、神の心というよりも、女性を差別する時代や世の中を反映した言葉でありましょう。しかし、わたしたちの社会にも、「女性は一歩下がっているべきだ」という通念が強くはびこっているのではないでしょうか。セクシャリティの平等が唱えられても、男性以外のセクシャリティが軽視、蔑視され続けています。人間はそのような差別思考を固守し続けています。
 残念ながら、聖書にもそのような言葉が含まれています。けれども、聖書には、同時に、いや、聖書の根底には、すべての人を等しい重みに創造した神の愛が横たわっています。
 「神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった」(創世記1:31)。神は、すべてのものを、人を、ひとしく「良い」、美しい、尊い、とご覧になるのです。これこそ、神の心ではないでしょうか。この神の心に基づいて、「隣人を愛しなさい」という神の掟があるのです。
 「婦人は黙っていなさい」は神の掟などではなく、人間の頑なな差別思考、わたしたちの執着であり、「神が愛する隣人をあなたも愛しなさい」こそが、神の掟なのです。 わたしたちの頑なな思いを棄てて、神の心に立ち返りたいと思います。

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