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「神さまはひとりひとりに」 [中高生向けのお話]

中高生礼拝 201805020 使徒言行録2:1-11 p.214 
 
「神さまはひとりひとりに」

 皆さん、おはようございます。塾の中に、個別指導塾というものがあります。一対一の方が、生徒の弱点がよくわかり、克服させやすい、ということなのでしょう。

 お医者さんも、全員をまとめて診察、などということはせず、ひとりひとりを診てくれます。

 悩み相談やカウンセリングも同じで、原則は、一対一です。カウンセラーは相談者の話をていねいに聴きます。そして、その気持ちに共感しようとします。相談者は、カウンセラーが、自分のことをわかってくれているなと感じられると、気持ちが楽になってきます。

 聖書によりますと、イエスさまは、十字架につけられ死んでしまい、弟子たちと離れてしまったと思われましたが、復活し、弟子たちのところに帰ってきます。ところが、しばらくすると、今度は天に昇って行ってしまいます。今度こそ、お別れかなと思っていたら、それからしばらくしたある日、今日の聖書にあるように、弟子たちがひとつところに集まっているとき、轟音が天から鳴り響き、炎のようなもの、あるいは、舌のようなかたちをしたものが、弟子たちひとりひとりの上にとどまります。

 そして、弟子たちは外国語を話し始めます。そこには、いくつもの地域から来て、さまざまな言語の人びとがいましたが、皆、自分の故郷の言葉が語られているのを耳にするのです。つまり、そこにいた人びとは、皆、自分の母語で、自分の生まれながらの言葉で、つまり、自分に一番わかりやすい言葉で、弟子たちの語る、神の話を聞くことができたのです。

 この不思議な話の奥には、神さまはひとりひとりにわかる言葉で語りかけてくださる、神さまはわたしたちにまとめてではなく個別に向き合ってくれるというメッセージがあるのではないでしょうか。

 わたしたちは、こうして聖書を読んでいますが、その感想や読み方は、ひとそれぞれです。好きな讃美歌も、好きな聖書の箇所も、お祈りも、神さまについての感じ方も、神さまについて思うことも、人それぞれです。ですが、これは、じつは、神さまがわたしたちひとりひとりに個別に語りかけてくれているしるしではないでしょうか。

 わたしたちは、ときどき、自分の悩みや苦しみが誰にもわかってもらえない、みんなからわかってもらえないと感じます。でも、他の誰もが知らない、他の誰もがわかってくれない、わたしたちの特別の悩みを、神さまだけは知っていてくださるのです。それは、神さまが、わたしたちひとりひとりと向き合っていてくださるからなのです。

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