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蒲田福音劇場その107 「汚れ、疲れていた足が」 [蒲田福音劇場]

蒲田福音劇場その107

「汚れ、疲れていた足が」

あれは十字架につけられる
一週間くらい前のことだった

ベタニアの村に行った
マルタとマリアとラザロの家だ
この日は他の客もいた

マルタはあいかわらず
一所懸命にごちそうしてくれた

ラザロも元気になって
一緒に食卓についた

マリアもあいかわらず
ぼくの足もとにすわっていた

ところが、とつぜん、マリアが
ナルドの香油の壺を取り出して
全部ぼくの足に塗ってくれたんだ
そして髪の毛で拭いてくれたんだ

ほこり道を歩き続けて
ぼくの足は汚れ、疲れていたけれど
とても気持ちよくなった
良い香りが家じゅうに満ちあふれた

けれども、ユダはこう言った
香油を三百万円で売って
貧しい人びとを助ければ良かったのに

だからぼくは言ったんだ
ぼくは天国に帰らなければならない
少しの間お別れしなければならない
マリアはその準備をしてくれたんだ
ぼくはすぐにもどってくるけどね

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